施工・価格例 05 スレート瓦 葺き替え工事  (野田市)

 

    佐藤工務店 一級建築士事務所
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2011年の春先の工事の例です。


記憶に色濃く残っていらっしゃると思いますが、
東日本大地震による被害が、
私達の住むここ春日部市や野田市にもありました。

瓦の崩れた被害も本当によく見かけました。



主に被害の大きかったのは寄せ棟型の屋根で、
”下り棟”と言われる斜めに文字通り下ってくる棟の部分が、
崩れて落下する例が多かったように思います。

一方、カラートタン屋根やスレート瓦屋根はそのような被害はなく、
切妻(きりづま)屋根の瓦屋根の家もほとんど被害がありませんでした。

瓦はとても重い物ですので、極力シンプルな方が
地震には強い建物と言えます。



2階の下り棟の瓦が崩れて、1階の下屋の瓦に落ち、
このように割れてしまった状況もよく見られました。

車の上に沢山落ちてしまったというお宅もあったと思います。



敷地周囲にも瓦が散乱しています。
(大分片づけたとのことでしたが、
 余震続きでしたので途中で止めるようにしたそうです。)

大きな地震があった時に、外に飛び出すのは危険です。


周囲の状況をよく見て広い所に避難するのは良いと思いますが、
頭上にも十分注意して、むやみに飛び出さないようにされてください。

ガスの元栓を閉めて、暖房器具を確実に消して、
一旦 心を静めてからにしましょう。




記憶ですと、この日は3.11から2日後くらいです。

当日は家族と近い親せきの安否確認で精いっぱいでした。

1日後にはとりあえず、ブルーシートを買いだめに行き、
いつも仕事を頼んでくださるお客様を中心に、
電話がかかってきたお宅を回りました。

一時的な処置ですが、ブルーシートで棟まわりを保護しました。



水がまわって下地が腐ったり、天井に水がまわると、
被害が大きくなってしまいますので、シートで養生します。

春先には風の強い日がありましたので、心配でしたが、
シートがめくれたり、飛ばされた家は1件もありませんでした。


この時点ではこの後に屋根の材料の仕入れにあそこまで困難があるとは、
予想もしてませんでした・・・。



見えにくいですが、窓まわりにクラックが入っています。

鉄筋コンクリートですと、窓まわりの鉄筋量が多いんですね、
どうしても横揺れすると、窓の四隅にこのような亀裂が入ります。

応急処置として、変性コーキングでシールしました。
近似色で充填しましたが、あとで塗装すれば目立たないと思います。



直接、屋根材を仕入れ作業に入ります。

お客さまも多数の業者から見積ったそうですが、
すぐに工事をしてくれる・直接施工・施工価格が決め手で、
即断してくださいました。

同様の内容で70万円以上違う、施工価格が安いと仰っていました。
たしかに下請けに施工は丸投げして、
営業担当者・広告宣伝活動費が必要となるとそうなると思います。


周囲の他の家に比べても、施工着手の時期が早かったと思います。

セメント瓦の家でしたが、同種類の瓦の入手は出来ない(部分補修不可)、
重い屋根は不安なので、軽いスレート瓦屋根に葺き替えるという事でした。



被害の大きな2階から始めました。
(屋根工事は通常2階(高い位置)から施工します。)

瓦材をめくり、荷揚げ機(はしご型)で順次降ろしていきます。
廃瓦はトラックで建築廃棄物処理場へ持っていき、処分します。
この頃は廃棄処理場も瓦が山積しており、廃棄価格が上がっていました。

瓦桟をはがして、12mm厚のコンクリートパネルを打ちつけていきます。



屋根材の入手が困難だったという話 ですが、
このコンクリートパネル(12mm厚ベニヤ材)が特に入手困難でした。

瓦材は当初”かわら土”と”なんばん”が手に入りにくかったですね。

トラックが軽油でしたので、走り回って確保したのを覚えています。
ガソリンは給油の列が凄くて、みなさん大変だったと思います。

コンパネ貼りはスレート瓦を専用釘で打つ為に貼ります。
野地板が隙間だらけの場合、スレート瓦工事の正しい施工が出来ません。



コンパネを前面に打ちつけた後、ルーフィングを貼ります。

このルーフィング材も入手難でした。

写真に写っているのは、軒先の金物とスタートのスレート瓦です。


ルーフィング材もスレート瓦も、
KMEW製品(旧クボタ松下電工外装株式会社)です。



スレート瓦を打ちつけていきます。

瓦屋根を葺くときは下請けの専門業者に依頼しますが、
カラートタン(ガルバリウム鋼板)屋根の桟葺き本葺きと、
スレート瓦屋根の工事は、佐藤工務店で直接施工いたします。

職人の業種がふえるほど、中間の営業職がふえるほど、
コスト単価が上がり、自由度が減りますので、
こういう緊急時には、早い対応が出来たのではないかと思います。



棟に貫材を打ち、棟の金物を打ち止めていきます。

各所 防腐措置・防水シーリングを施します。



2階のスレート瓦屋根の葺き替え工事が完了しました。


この後、1階の下屋部分に移行します。
下屋工事の方が施工が複雑です。

スレート瓦はコロニアルやカラーベストとも呼び方があります、
会社によって違う商品名です。



2階同様、既存瓦を撤去して、12mm厚のコンパネを打ちつけていきます。


下屋の建物側の付け根の部分を立ち上り10cm程カットします。

外壁の中に屋根の立ち上がり部分がないと、
雨水がまわりやすくなります。

リフォームの際には、業者に見積りをとる時にご確認ください。



軒先金物を打ち、ルーフィングを貼りつけます。

壁の付け根の部分に立ち上がりがあります。



スレート瓦を打ちつけていきます。

そして溜まっていた雨樋の中のゴミも清掃して、
勾配を再調整します。



水切り金物を打ちつけて、ラスカットを貼り、
専用材で防水シーリングをします。

シーリングが硬化(必要硬化時間)しましたら、
モルタルを塗ります。



ペンキ屋さんに塗装してもらいます。

同系色に塗ってもらっても、ピタリとはなかなか難しいです。



1階の下屋部分も完成しました。

工事完了です。


東日本大地震の直後の施工例でしたが、
現在の施工も内容は変わらず、同様の工事内容になります。
スレート瓦屋根葺き替え工事  35.74坪
 既存瓦屋根 撤去    リフト降ろし 積込 搬出  \117,942
 スレート瓦屋根葺き工事 \1,346,136
  下地板補強貼り
  防水層 下葺き
  スレート瓦屋根葺き
  棟包
  ケラバ水切り
  軒先 水切り
  1階下屋根壁際 雨押え
  雨樋損傷部 修復
  1階下屋 壁補修 塗装
  建築廃棄物処理費
合計 諸経費・消費税(5%)を含む  ¥1,860,201.-
*作業環境や複合工事の場合、正確な値段は条件により変わります。


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